タップ,ダイス,下穴,加工,リーマ,転造,ねじ加工工具の種類など

 

ニブタップ/タッパタップ/プーリタップ/盛上げタップ



主として金属加工用として一般に用いるタップに関する用語について規定しているネジ加工工具用語(タップ)において、”a)タップの種類”の分類の中で、”4)機能又は用途による分類 > 4.2)用途による分類”に分類されている用語のうち、『ニブタップ』、『タッパタップ』、『プーリタップ』、『盛上げタップ』のJIS規格における定義その他について。

金属部品などのねじ加工用の工具であり、主に下穴にめねじを形成するおねじ形のネジ加工工具であるタップの、種類(構造、機能、用途、ねじの種類、製造方法、溝の形態などによる分類)タップの要素、タップの角、精度などに関連する用語として、ねじ加工工具用語-第1部:タップ(JIS B 0176-1)において、”a)タップの種類”の分類の中で、”4)機能又は用途による分類 > 4.2)用途による分類”に分類されているねじ加工工具用語(タップ)には、以下の、『ニブタップ』、『タッパタップ』、『プーリタップ』、『盛上げタップ』などの用語が定義されています。

ねじ加工工具用語-第1部:タップ(JIS B 0176-1)
⇒【a)タップの種類 > 4)機能又は用途による分類 > 4.2)用途による分類


分類: ねじ加工工具用語(タップ) > a)タップの種類 > 4)機能又は用途による分類 > 4.2)用途による分類

番号: 1425

用語: ニブタップ

定義:
主にねじ立盤ナットを作るときにベントシャンク又はストレートシャンク
(※1)に接合して使用するタップ(JIS B 4433(※2) 参照)。
ニブタップ
ニブタップ

対応英語(参考):
nib tap


分類: ねじ加工工具用語(タップ) > a)タップの種類 > 4)機能又は用途による分類 > 4.2)用途による分類

番号: 1426

用語: タッパタップ

定義:
ねじ立て
(※3)作業中、ねじ立てされたナットを複数個ためられるように長いシャンク(※4)をもったタップ。
タッパタップ
タッパタップ

対応英語(参考):
tapper tap


分類: ねじ加工工具用語(タップ) > a)タップの種類 > 4)機能又は用途による分類 > 4.2)用途による分類

番号: 1427

用語: プーリタップ

定義:
シャンク径がねじの外径とほぼ同じで、ハンドタップ
(※5)に比べてシャンクが長く、プーリなどのボスにオイルカップ又は止めねじなど取り付けるためのねじ立てをリムの穴を通して行うタップ。
プーリタップ
プーリタップ

対応英語(参考):
pulley tap


分類: ねじ加工工具用語(タップ) > a)タップの種類 > 4)機能又は用途による分類 > 4.2)用途による分類

番号: 1428

用語: 盛上げタップ

定義:
切れ刃
(※6)がなく塑性加工によってめねじを成形するタップ。(204)
備考1.
油溝のあるものとないものとがある。
備考2.
油溝のないものを溝なしタップという。
盛上げタップ
盛上げタップ

対応英語(参考):
thread forming tap,
fluteless tap


(※1)
ストレートシャンクとは、円筒状のシャンクのことです。
ストレートシャンク
ストレートシャンク

(※2)
JIS B 4433 は、以下のJIS規格になります。

JIS B 4433
ナットタップ

この規格では、のメートル並目ねじ(ねじの呼びM2.5〜M24)、メートル細目ねじ(ねじの呼びM4×0.5〜M24×1)、ユニファイ並目ねじ、(ねじの呼びNo.3-48UNC〜1-8UNC)及びユニファイ細目ねじ(ねじの呼びNo.3-56UNF〜112UNF)のねじ立てに用いるナットタップについて規定されています。
この規格の本体で規定するタップは、ナットねじ立盤で使用する場合ベントシャンク又はストレートシャンクに接合して使用し、ニブタップともいいます。

(※3)
ねじ立てとは、タップでめねじを加工することを言います。

(※4)
シャンクとは、タップの柄部のことです(下図参照)。
使用に際してこれを保持します。
シャンク

(※5)
ハンドタップとは、一般に使用するタップのことです。
主に機械でねじ立てを行うが、手作業で使用することもあり、ショートマシンタップともいいます。
ハンドタップ(ショートマシンタップ)
ハンドタップ(ショートマシンタップ)

ハンドタップに関連するJIS規格には、以下などがあります。

JIS B 4430
メートルねじ用ハンドタップ

JIS B 4432
ユニファイねじ用ハンドタップ

JIS B 4430(メートルねじ用ハンドタップ)では、呼びM1〜M68 のメートル並目ねじ及びM1×0.2〜M100×6 のメートル細目ねじのねじ立てに用いるメートルねじ用ハンドタップ(メートルねじ用ショートマシンタップともいう)について規定されています。
メートルねじ用ハンドタップの種類は、形状によってフルダイヤメータシャンクタップ、ネック付きタップ及びレリーブシャンクタップの3種類になります。

JIS B 4432(ユニファイねじ用ハンドタップ)では、呼びNo.1-64UNC〜4-4UNC のユニファイ並目ねじ及び呼びNo.0-80UNF〜1・1/2-12UNF のユニファイ細目ねじのねじ立てに用いるユニファイねじ用ハンドタップ(ユニファイねじ用ショートマシンタップともいう)について規定されています。
ユニファイねじ用ハンドタップの種類も、形状によってフルダイヤメータシャンクタップ、ネック付きタップ及びレリーブシャンクタップの3種類になります。

(※6)
切れ刃とは、すくい面が逃げ面につながる部分のことです(下図参照)。
切れ刃、すくい面、ヒール