外径の基礎となる許容差／有効径／単独有効径／有効径の基準寸法
主として金属加工用として一般に用いるタップに関する用語について規定しているネジ加工工具用語（タップ）において、”b）タップの要素”に分類されている用語のうち、『外径の基礎となる許容差』、『有効径』、『単独有効径』、『有効径の基準寸法』のJIS規格における定義その他について。
金属部品などのねじ加工用の工具であり、主に下穴にめねじを形成するおねじ形のネジ加工工具であるタップの、種類（構造、機能、用途、ねじの種類、製造方法、溝の形態などによる分類）タップの要素、タップの角、精度などに関連する用語として、ねじ加工工具用語-第1部：タップ（JIS B 0176-1）において、”b）タップの要素”に分類されているねじ加工工具用語（タップ）には、以下の、『外径の基礎となる許容差』、『有効径』、『単独有効径』、『有効径の基準寸法』などの用語が定義されています。
ねじ加工工具用語-第1部：タップ（JIS B 0176-1）
⇒【b）タップの要素】
分類： ねじ加工工具用語（タップ） > b）タップの要素
番号： 2006
用語： 外径の基礎となる許容差
定義：
外形の最小許容寸法（※1）と外形の基準寸法（※2）との差。（402）
量記号（参考）：
Js
対応英語（参考）：
minimum clearance on major diameter
分類： ねじ加工工具用語（タップ） > b）タップの要素
番号： 2007
用語： 有効径
定義：
ねじ溝の幅がねじ山の幅に等しくなるような仮想的な円筒（又は円すい）の直径。
この場合、ピッチ（※3）が規定のピッチに等しいときは単独有効径に等しい（JIS B 0101（※4） 参照）。
量記号（参考）：
−
対応英語（参考）：
pitch diameter
分類： ねじ加工工具用語（タップ） > b）タップの要素
番号： 2008
用語： 単独有効径
定義：
a）平行ねじの場合は、軸線に沿って測ったねじ溝の幅が規定上のピッチの1/2であるような仮想的な円筒の直径。
b）テーパねじの場合は、テーパ面に沿って測ったねじ溝の幅が、テーパ面に沿って測った規定上のピッチの1/2であるような円すいの直径（JIS B 0101 参照）。
量記号（参考）：
−
対応英語（参考）：
simple pitch diameter
分類： ねじ加工工具用語（タップ） > b）タップの要素
番号： 2009
用語： 有効径の基準寸法
定義：
有効径の許容限界寸法の基準となる寸法（JIS B 0401-1（※5）、JIS B 4430（※6） 参照）。（403）
量記号（参考）：
d2
対応英語（参考）：
basic pitch diameter
（※1）
外形の最小許容寸法とは、外径の最小許容限界寸法のことです。
（※2）
外形の基準寸法とは、外形の許容限界寸法の基準となる寸法のことです。
（※3）
ピッチとは、ねじの軸線を含む断面において、互いに隣り合うねじ山の相対応する2点を軸線に平行に測った距離のことです。
（※4）
JIS B 0101 は、以下のJIS規格になります。
JIS B 0101
ねじ用語
この規格では、一般に用いるネジの”ねじ基本”及び”ねじ部品”（座金・ピン・リベットを含む。）に関する用語及びその定義について規定されています。
詳細はこちらを参照ください。
ネジ規格・用語-ねじの種類,寸法,ボルト,ナット,タップ,インチ,管用,台形ネジ,加工等
（※5）
JIS B 0401-1 は、以下のJIS規格になります。
JIS B 0401-1
寸法公差及びはめあいの方式―第１部：公差，寸法差及びはめあいの基礎
この規格では、寸法公差及びはめあいの方式の基本事項に加えて、基本公差及び基礎となる寸法許容差の計算値について規定されています。
（※6）
JIS B 4430 は、以下のJIS規格になります。
JIS B 4430
メートルねじ用ハンドタップ
この規格では、呼びM1〜M68のメートル並目ねじ及び呼びM1×0.2〜M100×6のメートル細目ねじのねじ立てに用いるメートルねじ用ハンドタップ（メートルねじ用ショートマシンタップともいう。）について規定されています。
[ タップ・ダイス・リーマ ＞ タップの要素 ]
