有効径の下の許容差/有効径の上の許容差/谷の径/谷の径の基準寸法
主として金属加工用として一般に用いるタップに関する用語について規定しているネジ加工工具用語(タップ)において、”b)タップの要素”に分類されている用語のうち、『有効径の下の許容差』、『有効径の上の許容差』、『谷の径』、『谷の径の基準寸法』のJIS規格における定義その他について。
金属部品などのねじ加工用の工具であり、主に下穴にめねじを形成するおねじ形のネジ加工工具であるタップの、種類(構造、機能、用途、ねじの種類、製造方法、溝の形態などによる分類)タップの要素、タップの角、精度などに関連する用語として、ねじ加工工具用語-第1部:タップ(JIS B 0176-1)において、”b)タップの要素”に分類されているねじ加工工具用語(タップ)には、以下の、『有効径の下の許容差』、『有効径の上の許容差』、『谷の径』、『谷の径の基準寸法』などの用語が定義されています。
ねじ加工工具用語-第1部:タップ(JIS B 0176-1)
⇒【b)タップの要素】
分類: ねじ加工工具用語(タップ) > b)タップの要素
番号: 2013
用語: 有効径の下の許容差
定義:
有効径の最小許容寸法(※1)と有効径の基準寸法(※2)との差。(407)
量記号(参考):
Em
対応英語(参考):
lower deviation of pitch diameter
分類: ねじ加工工具用語(タップ) > b)タップの要素
番号: 2014
用語: 有効径の上の許容差
定義:
有効径の最大許容寸法(※3)と有効径の基準寸法との差。(408)
量記号(参考):
Es
対応英語(参考):
upper deviation of pitch diameter
分類: ねじ加工工具用語(タップ) > b)タップの要素
番号: 2015
用語: 谷の径
定義:
ねじの谷底(※4)に接する仮想的な円筒(又は円すい)の直径。(340)
量記号(参考):
−
対応英語(参考):
minor diameter
分類: ねじ加工工具用語(タップ) > b)タップの要素
番号: 2016
用語: 谷の径の基準寸法
定義:
谷の径の許容限界寸法の基準となる寸法(JIS B 0401-1(※5)、JIS B 4430(※6) 参照)。
量記号(参考):
d1
対応英語(参考):
basic minor diameter
(※1)
有効径の最小許容寸法とは、有効径(ねじ溝の幅がねじ山の幅に等しくなるような仮想的な円筒又は円すいの直径)の最小許容限界寸法のことです。
(※2)
有効径の基準寸法とは、有効径の許容限界寸法の基準となる寸法のことです。
(※3)
有効径の最大許容寸法とは、有効径の最大許容限界寸法のことです。
(※4)
谷底とは、ねじ溝の両側のフランク(山の頂と谷底とを連絡する面)を連絡する面のことです。
JIS B 0101(ねじ用語)にも規定があります。
JIS B 0101(ねじ用語)では、一般に用いるネジの”ねじ基本”及び”ねじ部品”(座金・ピン・リベットを含む。)に関する用語及びその定義について規定されています。
詳細はこちらを参照ください。
ネジ規格・用語-ねじの種類,寸法,ボルト,ナット,タップ,インチ,管用,台形ネジ,加工等
(※5)
JIS B 0401-1 は、以下のJIS規格になります。
JIS B 0401-1
寸法公差及びはめあいの方式―第1部:公差,寸法差及びはめあいの基礎
この規格では、寸法公差及びはめあいの方式の基本事項に加えて、基本公差及び基礎となる寸法許容差の計算値について規定されています。
(※6)
JIS B 4430 は、以下のJIS規格になります。
JIS B 4430
メートルねじ用ハンドタップ
この規格では、呼びM1〜M68のメートル並目ねじ及び呼びM1×0.2〜M100×6のメートル細目ねじのねじ立てに用いるメートルねじ用ハンドタップ(メートルねじ用ショートマシンタップともいう。)について規定されています。
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