タップ,ダイス,下穴,加工,リーマ,転造,ねじ加工工具の種類など

 

公差域/基準径の位置/とがり山の高さ/ねじ山のアデンダム



主として金属加工用として一般に用いるタップに関する用語について規定しているネジ加工工具用語(タップ)において、”b)タップの要素”に分類されている用語のうち、『公差域』、『基準径の位置』、『とがり山の高さ』、『ねじ山のアデンダム』のJIS規格における定義その他について。

金属部品などのねじ加工用の工具であり、主に下穴にめねじを形成するおねじ形のネジ加工工具であるタップの、種類(構造、機能、用途、ねじの種類、製造方法、溝の形態などによる分類)タップの要素、タップの角、精度などに関連する用語として、ねじ加工工具用語-第1部:タップ(JIS B 0176-1)において、”b)タップの要素”に分類されているねじ加工工具用語(タップ)には、以下の、『公差域』、『基準径の位置』、『とがり山の高さ』、『ねじ山のアデンダム』などの用語が定義されています。

ねじ加工工具用語-第1部:タップ(JIS B 0176-1)
⇒【b)タップの要素


分類: ねじ加工工具用語(タップ) > b)タップの要素

番号: 2017

用語: 公差域

定義:
上の許容差と下の許容差との間にある領域。

量記号(参考):

対応英語(参考):
tolerance zone


分類: ねじ加工工具用語(タップ) > b)タップの要素

番号: 2018

用語: 基準径の位置

定義:
テーパタップ
(※1)において基準径を示すための軸直角平面の位置(JIS B 4446(※2) 参照)。

量記号(参考):

対応英語(参考):
position of gauge plane


分類: ねじ加工工具用語(タップ) > b)タップの要素

番号: 2019

用語: とがり山の高さ

定義:
とがり三角形の高さ(JIS B 0101
(※3) 参照)。

量記号(参考):
H

対応英語(参考):
fundamental triangle height


分類: ねじ加工工具用語(タップ) > b)タップの要素

番号: 2020

用語: ねじ山のアデンダム

定義:
有効径
(※4)から外径(※5)までの半径差(JIS B 4446 参照)。
備考:
テーパタップなどでは、ねじ山形によってねじ部の精度
(※6)が決められるので、そのねじ山形の状態を表すのに用いるもの。

量記号(参考):

対応英語(参考):
addendum of thread


(※1)
テーパタップとは、テーパねじのねじ立てに用いるねじ部にテーパが付いているタップのことです(下図参照)。
テーパタップ
テーパタップ

(※2)
JIS B 4446 は、以下のJIS規格になります。

JIS B 4446
管用テーパねじ用タップ

この規格では、呼びRc1/16〜Rc4 の管用テーパねじ及び 呼びRp1/16〜Rp4 の管用平行ねじの、ねじ立て(タップでめねじを加工すること)に用いる管用テーパねじ用タップについて規定されています。

(※3)
JIS B 0101 は、以下のJIS規格になります。

JIS B 0101
ねじ用語

この規格では、一般に用いるネジの”ねじ基本”及び”ねじ部品”(座金・ピン・リベットを含む。)に関する用語及びその定義について規定されています。
詳細はこちらを参照ください。
ネジ規格・用語-ねじの種類,寸法,ボルト,ナット,タップ,インチ,管用,台形ネジ,加工等

(※4)
有効径とは、ねじ溝の幅がねじ山の幅に等しくなるような仮想的な円筒(又は円すい)の直径のことです。
この場合、ピッチ(ねじの軸線を含む断面において、互いに隣り合うねじ山の相対応する2点を軸線に平行に測った距離)が規定のピッチに等しいときは単独有効径に等しくなります。

(※5)
外径とは、ねじの山の頂に接する仮想的な円筒(又は円すい)の直径のことです。

(※6)
ねじ部の精度とは、ねじ部の径の許容差、公差及び公差位置、並びにピッチの許容差及び山の半角の許容差による精度をいいます。