ねじ部/ねじ部の径/ねじ部の長さ/ランド/ランド幅/ねじ山の逃げ
主として金属加工用として一般に用いるタップに関する用語について規定しているネジ加工工具用語(タップ)において、”b)タップの要素”に分類されている用語のうち、『ねじ部』、『ねじ部の径』、『ねじ部の長さ』、『ランド』、『ランド幅』、『ねじ山の逃げ』のJIS規格における定義その他について。
金属部品などのねじ加工用の工具であり、主に下穴にめねじを形成するおねじ形のネジ加工工具であるタップの、種類(構造、機能、用途、ねじの種類、製造方法、溝の形態などによる分類)タップの要素、タップの角、精度などに関連する用語として、ねじ加工工具用語-第1部:タップ(JIS B 0176-1)において、”b)タップの要素”に分類されているねじ加工工具用語(タップ)には、以下の、『ねじ部』、『ねじ部の径』、『ねじ部の長さ』、『ランド』、『ランド幅』、『ねじ山の逃げ』などの用語が定義されています。
ねじ加工工具用語-第1部:タップ(JIS B 0176-1)
⇒【b)タップの要素】
分類: ねじ加工工具用語(タップ) > b)タップの要素
番号: 2039
用語: ねじ部
定義:
食付き部(※1)を含んだねじ山のある部分。
量記号(参考):
−
対応英語(参考):
thread part
分類: ねじ加工工具用語(タップ) > b)タップの要素
番号: 2040
用語: ねじ部の径
定義:
ねじ部の一番大きい箇所の外径、有効径(※2)及び谷の径(※3)。
備考:
テーパタップ(※4)においては基準径の位置での外径、有効径及び谷の径。
量記号(参考):
−
対応英語(参考):
thread diameter
分類: ねじ加工工具用語(タップ) > b)タップの要素
番号: 2041
用語: ねじ部の長さ
定義:
軸に平行に測ったねじ部の長さ。(311)
量記号(参考):
l
対応英語(参考):
thread length
分類: ねじ加工工具用語(タップ) > b)タップの要素
番号: 2042
用語: ランド
定義:
切れ刃(※5)からヒール(※6)までの堤状の幅をもった部分。(334)
ランド・ランド幅
量記号(参考):
−
対応英語(参考):
land
分類: ねじ加工工具用語(タップ) > b)タップの要素
番号: 2043
用語: ランド幅
定義:
切れ刃からヒールまでの堤状のねじ山がある部分の幅。(334)
量記号(参考):
t
対応英語(参考):
width of land
分類: ねじ加工工具用語(タップ) > b)タップの要素
番号: 2044
用語: ねじ山の逃げ
定義:
ランドにおいて切れ刃からヒールにかけてねじ山に施した逃げ。(351、352、353、354)
備考:
逃げの取り方によって、エキセントリックレリーフ(eccentric thread relief)、コンエキセントリックレリーフ(con-eccentric thread relief)などがある。
ねじ山の逃げ・ねじ山の逃げ量・マージン・マージン幅
ねじ山の逃げ・エキセントリックレリーフ
ねじ山の逃げ・コンエキセントリックレリーフ・マージン幅
量記号(参考):
−
対応英語(参考):
thread relief
(※1)
食付き部とは、タップが工作物に食い付いて、切削又は盛り上げながらタップ自身を案内する部分のことです(下図参照)。
食付き部及び食付き部の長さ・先端径・面取り、完全ねじ山部、完全ねじ山部の長さ
(※2)
有効径とは、ねじ溝の幅がねじ山の幅に等しくなるような仮想的な円筒(又は円すい)の直径のことです。
この場合、ピッチ(ねじの軸線を含む断面において、互いに隣り合うねじ山の相対応する2点を軸線に平行に測った距離)が規定のピッチに等しいときは単独有効径に等しくなります。
(※3)
谷の径とは、ねじの谷底(ねじ溝の両側のフランクを連絡する面)に接する仮想的な円筒(又は円すい)の直径のことです。
(※4)
テーパタップとは、テーパねじのねじ立てに用いるねじ部にテーパが付いているタップのことです(下図参照)。
テーパタップ
(※5)
切れ刃とは、すくい面が逃げ面につながる部分のことです(下図参照)。
(※6)
ヒールとは、逃げ面と溝とのつなぎとなる部分のことです(上図参照)。
[ タップ・ダイス・リーマ > タップの要素 ]