食付き部の逃げ/食付き部の逃げ量/ねじ山の逃げ/完全山部
主として金属加工用として一般に用いるネジ切りダイスに関する用語について規定しているネジ加工工具用語(ねじ切りダイス)において、”b)ねじ切りダイスの要素”に分類されている用語のうち、『食付き部の逃げ』、『食付き部の逃げ量』、『ねじ山の逃げ』、『完全山部』のJIS規格における定義その他について。
金属部品などのねじ加工用の工具であり、主におねじを切るのに用いるめねじ形のネジ加工工具であるネジ切りダイスの、種類(構造、機能、用途、ねじの種類、製造方法、溝の形態などによる分類)ねじ切りダイスの要素、ねじ切りダイスの角、精度などに関連する用語として、ねじ加工工具用語-第2部:ねじ切りダイス(JIS B 0176-2)において、”b)ねじ切りダイスの要素”に分類されているねじ加工工具用語(ねじ切りダイス)には、以下の、『食付き部の逃げ』、『食付き部の逃げ量』、『ねじ山の逃げ』、『完全山部』などの用語が定義されています。
ねじ加工工具用語-第2部:ねじ切りダイス(JIS B 0176-2)
⇒【b)ねじ切りダイスの要素】
分類: ねじ加工工具用語(ねじ切りダイス) > b)ねじ切りダイスの要素
番号: 2053
用語: 食付き部の逃げ(※1)
定義:
食付き部(※2)において、切れ刃(※3)からヒール(※4)にかけて施した逃げ。(※5)
量記号(参考):
−
対応英語(参考):
chamfer relief
分類: ねじ加工工具用語(ねじ切りダイス) > b)ねじ切りダイスの要素
番号: 2054
用語: 食付き部の逃げ量(※1)
定義:
食付き部において、ダイスの中心から山の頂(※6)までの半径が、切れ刃からヒールまでの間に増大している量。
量記号(参考):
Sc
対応英語(参考):
indicator drop for chamfer relief
分類: ねじ加工工具用語(ねじ切りダイス) > b)ねじ切りダイスの要素
番号: 2055
用語: ねじ山の逃げ
定義:
ランド(※7)において切れ刃からヒールにかけてねじ山に施した逃げ。(Index16)
ねじ山の逃げ
量記号(参考):
−
対応英語(参考):
radial thread relief
分類: ねじ加工工具用語(ねじ切りダイス) > b)ねじ切りダイスの要素
番号: 2056
用語: 完全山部(完全ねじ山部)
定義:
完全なねじ山の形をもつ部分。(Index4)
完全山部(完全ねじ山部)・完全山部の長さ(完全ねじ山部の長さ)
量記号(参考):
−
対応英語(参考):
full thread part,
complete thread portion
(※1)
食付き部の逃げ、食付き部の逃げ量 については、以下の図を参照ください。
食付き部の逃げ・食付き部の逃げ量
(※2)
食付き部とは、ダイスが工作物に食い付いて、切削しながらダイス自身を案内する部分のことです(下図参照)。
表面・裏面・食付き部・食付き部の長さ・食付き部の先端径
(※3)
切れ刃とは、すくい面が逃げ面につながる部分のことです。
なお、すくい面とは、切削を営む主体となる面のことです。
切りくずは、この面上を擦過します(下図参照)。
すくい面・ヒール
(※4)
ヒールとは、逃げ面と切りくず穴(切りくずのたまり又は排出する穴)とのつなぎとなる部分のことです(上図参照)。
(※5)
逃げとは、小さい呼びのダイスのねじ部の長さを適正な長さにするために削り取った部分のことです(下図参照)。
逃げ・逃げ径・逃げの深さ
(※6)
山の頂とは、ねじ山の両側のフランク(山の頂と谷底とを連絡する面)を連結する面のことです。
(※7)
ランドとは、切れ刃からヒールまでの堤状の幅をもった部分のことです(下図参照)。
ランド・ランド幅・調整ねじ・調整ねじ穴・調整ねじ穴の位置・すりわり・すりわりの幅・押し穴・押し穴径・押し穴の角度・面取りの大きさ
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