タップ,ダイス,下穴,加工,リーマ,転造,ねじ加工工具の種類など

 

ローズリーマ/底刃付きリーマ/ブリッジリーマ/テーパリーマ



主として金属切削用として一般に用いるリーマに関する用語について規定しているリーマ用語において、”a)リーマの種類”の分類の中で、”4)機能又は用途による分類”に分類されている用語のうち、『ローズリーマ』、『底刃付きリーマ』、『ブリッジリーマ』、『テーパリーマ』のJIS規格における定義その他について。

金属部品などの下穴を正確に仕上げると共に、滑らかな仕上げ面を得るために用いるめ穴加工(下穴加工)工具であるリーマの、種類(構造、機能、用途、取付方法などによる分類)リーマの要素、リーマの角度、精度などに関連する用語として、リーマ用語(JIS B 0173)において、”a)リーマの種類”の分類の中で、”4)機能又は用途による分類”に分類されているリーマ用語には、以下の、『ローズリーマ』、『底刃付きリーマ』、『ブリッジリーマ』、『テーパリーマ』などの用語が定義されています。

リーマ用語(JIS B 0173)
⇒【a)リーマの種類 > 4)機能又は用途による分類


分類: リーマ用語 > a)リーマの種類 > 4)機能又は用途による分類

番号: 1407

用語: ローズリーマ

定義:
ランド
(※1)前幅をマージン(※2)とし、45°の食付き角(※3)をもったリーマ。
シャンクの形状によって、ストレートシャンクローズリーマとテーパシャンクローズリーマとがある。
ストレートシャンクローズリーマ・テーパシャンクローズリーマ
ストレートシャンクローズリーマ・テーパシャンクローズリーマ

対応英語(参考):
rose reamer,
cylindrical shank rose reamer,
taper shank rose reamer


分類: リーマ用語 > a)リーマの種類 > 4)機能又は用途による分類

番号: 1408

用語: 底刃付きリーマ(そこはつき−)

定義:
底座を同時加工するための底刃をもつ機械作業用リーマ
(※4)
一般に食付き部
(※5)がない。
ジグボーラリーマともいう。
底刃付きリーマ(ジグボーラリーマ)
底刃付きリーマ(ジグボーラリーマ)

対応英語(参考):
end cutting reamer,
end facing reamer


分類: リーマ用語 > a)リーマの種類 > 4)機能又は用途による分類

番号: 1409(4.8)

用語: ブリッジリーマ

定義:
リベット穴、ボルト穴の食違いを修正するときに用いるリーマ。
JIS B 4409
(※6)参照。
ブリッジリーマ
ブリッジリーマ

対応英語(参考):
Morse taper shank machine bridge reamer,
bridge reamer,
machine bridge reamer


分類: リーマ用語 > a)リーマの種類 > 4)機能又は用途による分類

番号: 1410

用語: テーパリーマ

定義:
テーパ差込み穴の仕上げに用いるリーマ。
手回し作業用と機械作業用とがある。
荒仕上用のものには切れ刃
(※7)にニック(※8)が付けてある。
テーパリーマ
テーパリーマ

対応英語(参考):
taper reamer,
hand finishing taper reamer,
machine finishing taper reamer,
machine roughing taper reamer


(※1)
ランドとは、切れ刃からヒールまでの堤状の幅をもった部分のことです(以下の図4参照)。
図4(すくい面・食付き逃げ面・外周逃げ面・食付き切れ刃・外周切れ刃・ランド・マージン・ヒール・コーナ・溝・溝底の丸み)
図4(すくい面・食付き逃げ面・外周逃げ面・食付き切れ刃・外周切れ刃・ランド・マージン・ヒール・コーナ・溝・溝底の丸み)

(※2)
マージンとは、ランド上で、切れ刃に連なり逃げが付いていない部分のことです(上の図4参照)。

(※3)
食付き角とは、軸に対して傾けた食付き部の角のことです。
食付き角が複数からなる場合は先端に近い方から順に第1食付き角、第2食付き角などといいます(以下の図12参照)。
b0173_3012_3013(fig12).jpg
図12(ねじれ角・食付き角)
b0173_3014(fig12).jpg
図12(食付きテーパ)

(※4)
機械作業用リーマとは、取付け用のシャンクをもち、各種の工作機械及び電動機を使用して機械仕上げするリーマの総称のことです。
ランドにマージンと逃げ角をもったフルート形と、食付き部の溝を広げ、ランド全面をマージンとしたローズ形とがあります。

(※5)
食付き部とは、リーマが工作物に食い付いて主として切削作用を行う部分のことです(上の図2参照)。
図2(軸・刃部・シャンク・首・食付き部・先端面取り部・シャンク四角部・タング)
図2(軸・刃部・シャンク・首・食付き部・先端面取り部・シャンク四角部・タング)

(※6)
JIS B 4409 は、以下のJIS規格になります。

JIS B 4409
テーパシャンクブリッジリーマ

この規格では、直径6.0〜50.8mmのテーパシャンクブリッジリーマについて規定されています。
シャンクのモールステーパ番号は、リーマの直径Dの寸法範囲ごとに規定されており、その寸法は、JIS B 4003(工具用テーパシャンク部及びソケット−形状・寸法)に規定されています。

(※7)
切れ刃とは、刃部の構成要素の一つで、すくい面と逃げ面との交線のことです。

(※8)
ニックとは、切りくずを分割するために、切れ刃に設けたへこんだ部分のことです(下図参照)。
ニック
ニック