タップ,ダイス,下穴,加工,リーマ,転造,ねじ加工工具の種類など

 

ガイド付きリーマ/ラインリーマ/ガンリーマ/複溝ドリルリーマ



主として金属切削用として一般に用いるリーマに関する用語について規定しているリーマ用語において、”a)リーマの種類”の分類の中で、”4)機能又は用途による分類”に分類されている用語のうち、『ガイド付きリーマ』、『ラインリーマ』、『ガンリーマ』、『複溝ドリルリーマ』のJIS規格における定義その他について。

金属部品などの下穴を正確に仕上げると共に、滑らかな仕上げ面を得るために用いるめ穴加工(下穴加工)工具であるリーマの、種類(構造、機能、用途、取付方法などによる分類)リーマの要素、リーマの角度、精度などに関連する用語として、リーマ用語(JIS B 0173)において、”a)リーマの種類”の分類の中で、”4)機能又は用途による分類”に分類されているリーマ用語には、以下の、『ガイド付きリーマ』、『ラインリーマ』、『ガンリーマ』、『複溝ドリルリーマ』などの用語が定義されています。

リーマ用語(JIS B 0173)
⇒【a)リーマの種類 > 4)機能又は用途による分類


分類: リーマ用語 > a)リーマの種類 > 4)機能又は用途による分類

番号: 1420

用語: ガイド付きリーマ

定義:
加工精度を向上させる目的で刃部
(※1)の後方にガイドを設けたリーマ。
ガイド付きハンドリーマ
(※2)、ガイド付きチャッキングリーマ(※3)、ピストンピンリーマなどがある。
ガイド付きリーマ(ガイド付きハンドリーマ・ガイド付きチャッキングリーマ・ピストンピンリーマ)
ガイド付きリーマ(ガイド付きハンドリーマ・ガイド付きチャッキングリーマ・ピストンピンリーマ)

対応英語(参考):
reamer with guide,
hand reamer with guide,
chucking reamer with guide,
piston pin bushing reamer


分類: リーマ用語 > a)リーマの種類 > 4)機能又は用途による分類

番号: 1421

用語: ラインリーマ

定義:
深い穴又は2段以上になっている穴を仕上げるリーマ。
手回し作業用と機械作業用がある。
ラインリーマ(手回し作業用ラインリーマ・機械作業用ストレートシャンクラインリーマ・機械作業用テーパシャンクラインリーマ)
ラインリーマ(手回し作業用ラインリーマ・機械作業用ストレートシャンクラインリーマ・機械作業用テーパシャンクラインリーマ)

対応英語(参考):
line reamer


分類: リーマ用語 > a)リーマの種類 > 4)機能又は用途による分類

番号: 1422

用語: ガンリーマ

定義:
深穴の仕上げに用いるリーマ。
一般に、溝
(※4)が一つで、刃部の外周に案内面をもち、高圧切削油を送る穴が中心部にあけてある。
超硬ろう付けのものが多い。
ガンリーマ
ガンリーマ

対応英語(参考):


分類: リーマ用語 > a)リーマの種類 > 4)機能又は用途による分類

番号: 1423

用語: 複溝ドリルリーマ(ふくみぞ−)

定義:
下穴
(※5)の穴あけとリーマ仕上げを、1工程で行う場合に用いるリーマ。
コンビネーションリーマともいう。
複溝ドリルリーマ
複溝ドリルリーマ(コンビネーションリーマ)

対応英語(参考):
sub-land combined drill and reamer


(※1)
刃部とは、リーマの切削に直接あずかる部分で、切れ刃、すくい面及び逃げ面からなる部分のことです(以下の図2参照)。
図2(軸・刃部・シャンク・首・食付き部・先端面取り部・シャンク四角部・タング)
図2(軸・刃部・シャンク・首・食付き部・先端面取り部・シャンク四角部・タング)

(※2)
ハンドリーマとは、約1°の食付き角をもつ仕上げ用の手回し作業用リーマのことです。
一般に直刃が多く、溝などがある穴の場合は、ねじれ刃が使われます(下図参照)。
ハンドリーマ
ハンドリーマ

ハンドリーマについては、以下のJIS規格があります。

JIS B 4405
ハンドリーマ

この規格では、直径が1.32mmを超え 85mm以下のハンドリーマについて規定されています。
ハンドリーマの種類には、刃のねじれによって、直刃及びねじれ刃の2種類があり、リーマの等級には、直径の許容差によってA級及びB級の2等級があります。

(※3)
チャッキングリーマとは、刃長が短く約45°の食付き角をもった機械作業用リーマのことです。
シャンクの形状によってストレートシャンクチャッキングリーマとテーパシャンクチャッキングリーマがあります(下図参照)。
ストレートシャンクチャッキングリーマ・テーパシャンクチャッキングリーマ
ストレートシャンクチャッキングリーマ・テーパシャンクチャッキングリーマ

チャッキングリーマについては、以下のJIS規格があります。

JIS B 4402
チャッキングリーマ

この規格では、直径が1.32mmを超え 50mm以下のチャッキングリーマについて規定されています。
チャッキングリーマの種類は、シャンクの形状によって、ストレートシャンク及びテーパシャンクの2種類、刃のねじれによって、直刃及びねじれ刃の2種類があり、以下の種類が規定されています。
・ストレートシャンクチャッキングリーマ(直刃)
・ストレートシャンクチャッキングリーマ(ねじれ刃)
・テーパシャンクチャッキングリーマ(直刃)
・テーパシャンクチャッキングリーマ(ねじれ刃)
また、チャッキングリーマの等級は、直径の許容差によって、A級及びB級の2種類があります。

(※4)
溝とは、隣り合った切れ刃とヒールとの間のへこんだ部分のことです(以下の図4参照)。
図4(すくい面・食付き逃げ面・外周逃げ面・食付き切れ刃・外周切れ刃・ランド・マージン・ヒール・コーナ・溝・溝底の丸み)
図4(すくい面・食付き逃げ面・外周逃げ面・食付き切れ刃・外周切れ刃・ランド・マージン・ヒール・コーナ・溝・溝底の丸み)

(※5)
下穴とは、リーマ加工の前にあらかじめ工作物にあけた穴のことです。