表面処理リーマ/コーティングリーマ
主として金属切削用として一般に用いるリーマに関する用語について規定しているリーマ用語において、”a)リーマの種類”の分類の中で、”1)刃部材料及び表面処理による分類”に分類されている用語のうち、『表面処理リーマ』、『コーティングリーマ』のJIS規格における定義その他について。
金属部品などの下穴を正確に仕上げると共に、滑らかな仕上げ面を得るために用いるめ穴加工(下穴加工)工具であるリーマの、種類(構造、機能、用途、取付方法などによる分類)リーマの要素、リーマの角度、精度などに関連する用語として、リーマ用語(JIS B 0173)において、”a)リーマの種類”の分類の中で、”1)刃部材料及び表面処理による分類”に分類されているリーマ用語には、以下の、『表面処理リーマ』、『コーティングリーマ』などの用語が定義されています。
リーマ用語(JIS B 0173)
⇒【a)リーマの種類 > 1)刃部材料及び表面処理による分類】
分類: リーマ用語 > a)リーマの種類 > 1)刃部材料及び表面処理による分類
番号: 1107
用語: 表面処理リーマ
定義:
刃部の材料に窒化(※2)、酸化、窒化酸化処理などの表面処理を施したリーマ。
対応英語(参考):
surface-treated reamer
分類: リーマ用語 > a)リーマの種類 > 1)刃部材料及び表面処理による分類
番号: 1108
用語: コーティングリーマ
定義:
刃部の材料に炭化物、窒化物、酸化物などを、表面に一層又は多層に化学的又は物理的に密着させた工具材料を使用したリーマ。
被覆リーマともいう。
備考:
被覆される工具材料の種類によって、コーティング高速度工具鋼(※3)リーマ(coated high speed tool steel reamer)、コーティング超硬リーマ(coated carbide reamer)などがある。
被覆材の種類によって、TiNコーティング(TiN coating)、TiCコーティング(TiC coating)、TiCNコーティング(TiCN coating)、TiAlNコーティング(TiAlN coating)、アルミナコーティング(Al203 coating)、BNコーティング(BN coating)、ダイヤモンドコーティング(diamond coating)などがある。
対応英語(参考):
coated reamer
(※1)
刃部とは、リーマの切削に直接あずかる部分で、切れ刃、すくい面及び逃げ面からなる部分のことです(下図参照)。
(※2)
窒化とは、窒素の表面富化を生じるように鉄鋼製品に適用される熱化学処理のことです。
(※3)
高速度工具鋼に関連するJIS規格には、以下などがあります。
JIS G 4403
高速度工具鋼鋼材
この規格では、熱間圧延又は鍛造によって造られた高速度工具鋼鋼材について規定されています。
高速度工具鋼鋼材の種類は、以下の15種類が規定されています。
【タングステン系高速度工具鋼鋼材】
・SKH2
・SKH3
・SKH4
・SKH10
【粉末や金(治金)で製造したモリブデン系、高速度工具鋼鋼材】
・SKH40
【モリブデン系高速度工具鋼鋼材】
・SKH50
・SKH51
・SKH52
・SKH53
・SKH54
・SKH55
・SKH56
・SKH57
・SKH58
・SKH59
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