タップ,ダイス,下穴,加工,リーマ,転造,ねじ加工工具の種類など

 

タングの長さ/端面キー溝の幅/端面キー溝の深さ/食付きの長さ



主として金属切削用として一般に用いるリーマに関する用語について規定しているリーマ用語において、”b)リーマの要素”に分類されている用語のうち、『タングの長さ』、『端面キー溝の幅』、『端面キー溝の深さ』、『食付きの長さ』のJIS規格における定義その他について。

金属部品などの下穴を正確に仕上げると共に、滑らかな仕上げ面を得るために用いるめ穴加工(下穴加工)工具であるリーマの、種類(構造、機能、用途、取付方法などによる分類)リーマの要素、リーマの角度、精度などに関連する用語として、リーマ用語(JIS B 0173)において、”b)リーマの要素”に分類されているリーマ用語には、以下の、『タングの長さ』、『端面キー溝の幅』、『端面キー溝の深さ』、『食付きの長さ』などの用語が定義されています。

リーマ用語(JIS B 0173)
⇒【b)リーマの要素


分類: リーマ用語 > b)リーマの要素

番号: 2036

用語: タングの長さ

定義:
タング
(※1)の末端から切上げまでの長さ(図3参照)。(※2)

量記号(参考):
lt

対応英語(参考):
tang length


分類: リーマ用語 > b)リーマの要素

番号: 2037(4.12.4)

用語: 端面キー溝の幅

定義:
シェルリーマ
(※3)の端面キー溝(※4)の幅。

量記号(参考):
F

対応英語(参考):
width of side key way,
width of tenon,
driving slot width


分類: リーマ用語 > b)リーマの要素

番号: 2038(4.12.5)

用語: 端面キー溝の深さ

定義:
シェルリーマの端面キー溝の深さ。

量記号(参考):
E

対応英語(参考):
depth of side key way,
depth of tenon,
driving slot depth


分類: リーマ用語 > b)リーマの要素

番号: 2039(3.14)(3.19)(4.8.3)

用語: 食付きの長さ

定義:
(※5)に平行に測った食付き部(※6)の長さ(図3参照)(※2)
ただし、ブリッジリーマ
(※7)の時は、食い付き切れ刃(※8)の長さをいう。

量記号(参考):
lc

対応英語(参考):
taper lead length,
bevel lead length,
chamfer length,
tapered cutting edge length


(※1)
タングとは、シャンクの端部に付けた平たん部分のことです(下の図2参照)。
図2(軸・刃部・シャンク・首・食付き部・先端面取り部・シャンク四角部・タング)
図2(軸・刃部・シャンク・首・食付き部・先端面取り部・シャンク四角部・タング)

(※2)
タングの長さ及び食付き部の長さについては、以下の図3を参照ください。
図3(基準位置・首部・全長・刃長・首径・首の長さ・シャンク径・シャンクの長さ・四角部の長さ・四角部の幅・タングの長さ・食付きの長さ・テーパ全角)
図3(基準位置・首部・全長・刃長・首径・首の長さ・シャンク径・シャンクの長さ・四角部の長さ・四角部の幅・タングの長さ・食付きの長さ・テーパ全角)

(※3)
シェルリーマとは、主に仕上げ用として使用される多刃数で高精度な組立リーマでローズリーマタイプにすることもあります(JIS B 4406 参照)。
アーバの形式には、ストレートシャンクアーバとテーパシャンクアーバとがあります(JIS B 4407 参照)。
シェルリーマ
シェルリーマ

シェルリーマに関連するJIS規格には、以下などがあります。

JIS B 4406
シェルリーマ

JIS B 4407
シェルリーマ用アーバ

JIS B 4406(シェルリーマ)では、直径が19.9mmを超え 101.6mm以下のシェルリーマについて規定されています。
なお、シェルリーマ用アーバの形状・寸法については、JIS B 4407(シェルリーマ用アーバ)に規定されています。
シェルリーマの種類は、刃のねじれによって、直刃及びねじれ刃の2種類があり、以下の通りです。
・シェルリーマ(直刃)
・シェルリーマ(ねじれ刃)
また、シェルリーマの等級は、直径の許容差によって、A級及びB級の2等級が定義されています。

JIS B 4407(シェルリーマ用アーバ)では、JIS B 4406(シェルリーマ)に規定されているシェルリーマ用のアーバについて規定されています。
シェルリーマ用のアーバの種類は、テーパシャンクの1種類とし、名称はシェルリーマ用テーパシャンクアーバといいます。

(※4)
端面キー溝とは、ボスの端面に付けたキー溝のことです(下図参照)。
端面キー溝(端面キー溝の深さE・端面キー溝の幅F・ストレート穴)
端面キー溝(端面キー溝の深さE・端面キー溝の幅F・ストレート穴)

(※5)
軸とは、リーマの長手方向の中心線のことです(上の図2参照)。

(※6)
食付き部とは、リーマが工作物に食い付いて主として切削作用を行う部分のことです(上の図2参照)。

(※7)
ブリッジリーマとは、リベット穴、ボルト穴の食違いを修正するときに用いるリーマのことです(下図参照)。
JIS B 4409 (※6)参照。
ブリッジリーマ
ブリッジリーマ

なお、ブリッジリーマに関連するJIS規格には、以下があります。

JIS B 4409
テーパシャンクブリッジリーマ

この規格では、直径6.0〜50.8mmのテーパシャンクブリッジリーマについて規定されています。
シャンクのモールステーパ番号は、リーマの直径Dの寸法範囲ごとに規定されており、その寸法は、JIS B 4003(工具用テーパシャンク部及びソケット−形状・寸法)に規定されています。

(※8)
食付き切れ刃とは、食付き部の切れ刃のことです(以下の図4参照)。
図4(すくい面・食付き逃げ面・外周逃げ面・食付き切れ刃・外周切れ刃・ランド・マージン・ヒール・コーナ・溝・溝底の丸み)
図4(すくい面・食付き逃げ面・外周逃げ面・食付き切れ刃・外周切れ刃・ランド・マージン・ヒール・コーナ・溝・溝底の丸み)