バックテーパ/テーパ全角/すくい面/逃げ面/食付き逃げ面
主として金属切削用として一般に用いるリーマに関する用語について規定しているリーマ用語において、”b)リーマの要素”に分類されている用語のうち、『バックテーパ』、『テーパ全角』、『すくい面』、『逃げ面』、『食付き逃げ面』のJIS規格における定義その他について。
金属部品などの下穴を正確に仕上げると共に、滑らかな仕上げ面を得るために用いるめ穴加工(下穴加工)工具であるリーマの、種類(構造、機能、用途、取付方法などによる分類)リーマの要素、リーマの角度、精度などに関連する用語として、リーマ用語(JIS B 0173)において、”b)リーマの要素”に分類されているリーマ用語には、以下の、『バックテーパ』、『テーパ全角』、『すくい面』、『逃げ面』、『食付き逃げ面』などの用語が定義されています。
リーマ用語(JIS B 0173)
⇒【b)リーマの要素】
分類: リーマ用語 > b)リーマの要素
番号: 2040(3.22)
用語: バックテーパ
定義:
長手方向の送り運動に対して工具に逃げを与えるために設けられたテーパ。
JIS B 0170(※1) 参照。
量記号(参考):
−
対応英語(参考):
back taper on diameter
分類: リーマ用語 > b)リーマの要素
番号: 2041(4.5.1)
用語: テーパ全角
定義:
通常、比で表されるテーパリーマ(※2)の切れ刃(※3)で形成される角度(図3参照)。(※4)
量記号(参考):
α
対応英語(参考):
included angle of taper,
included angle
分類: リーマ用語 > b)リーマの要素
番号: 2042(3.33)
用語: すくい面
定義:
切れ刃に続く溝面(図4参照)。(※5)
量記号(参考):
−
対応英語(参考):
cutting face,
face
分類: リーマ用語 > b)リーマの要素
番号: 2043(3.29)
用語: 逃げ面
定義:
切削仕上げ面との不必要な接触を避けるために逃した面。
逃げ面が複数からなる場合は、切れ刃に近い方から順に第一逃げ面、第二逃げ面などという。
JIS B 0170 参照。
量記号(参考):
−
対応英語(参考):
clearance
分類: リーマ用語 > b)リーマの要素
番号: 2044
用語: 食付き逃げ面
定義:
食付き部の逃げ面(図4参照)。
量記号(参考):
−
対応英語(参考):
chamfer relief
(※1)
JIS B 0170 は、以下のJIS規格になります。
JIS B 0170
切削工具用語(基本)
この規格では、主として金属切削用として一般に用いられる切削工具に共通な基本的な用語及びその定義について規定されています。
(※2)
テーパリーマとは、テーパ差込み穴の仕上げに用いるリーマのことです。
手回し作業用と機械作業用とがあります。
荒仕上用のものには切れ刃にニックが付けてあります。
テーパリーマ
(※3)
切れ刃とは、刃部の構成要素の一つで、すくい面と逃げ面との交線のことです。
(※4)
テーパ全角については、以下の図3を参照ください。
図3(基準位置・首部・全長・刃長・首径・首の長さ・シャンク径・シャンクの長さ・四角部の長さ・四角部の幅・タングの長さ・食付きの長さ・テーパ全角)
(※5)
すくい面及び食付き逃げ面については、以下の図4を参照ください。
図4(すくい面・食付き逃げ面・外周逃げ面・食付き切れ刃・外周切れ刃・ランド・マージン・ヒール・コーナ・溝・溝底の丸み)
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