食付き逃げ面摩耗の長さ/コーナー逃げ面摩耗幅/すくい面摩耗
主として金属切削用として一般に用いるリーマに関する用語について規定しているリーマ用語において、”e)リーマの刃部の損傷”に分類されている用語のうち、『食付き逃げ面摩耗の長さ』、『コーナー逃げ面摩耗幅』、『すくい面摩耗』のJIS規格における定義その他について。
金属部品などの下穴を正確に仕上げると共に、滑らかな仕上げ面を得るために用いるめ穴加工(下穴加工)工具であるリーマの、種類(構造、機能、用途、取付方法などによる分類)リーマの要素、リーマの角度、精度などに関連する用語として、リーマ用語(JIS B 0173)において、”e)リーマの刃部の損傷”に分類されているリーマ用語には、以下の、『食付き逃げ面摩耗の長さ』、『コーナー逃げ面摩耗幅』、『すくい面摩耗』などの用語が定義されています。
リーマ用語(JIS B 0173)
⇒【e)リーマの刃部の損傷】
分類: リーマ用語 > e)リーマの刃部の損傷
番号: 5008
用語: 食付き逃げ面摩耗の長さ
定義:
食付き逃げ面摩耗(※1)の切れ刃(※2)に沿う長さ(図14参照)。(※3)
量記号(参考):
−
対応英語(参考):
length of chamfer flank wear
分類: リーマ用語 > e)リーマの刃部の損傷
番号: 5009
用語: コーナー逃げ面摩耗幅
定義:
コーナー逃げ面摩耗(※4)の切削方向の幅(図14参照)。
量記号(参考):
VBc
対応英語(参考):
width of corner flank wear
分類: リーマ用語 > e)リーマの刃部の損傷
番号: 5010
用語: すくい面摩耗
定義:
すくい面(※5)に生じた摩耗(※6)(図14参照)。
量記号(参考):
−
対応英語(参考):
face wear
(※1)
食付き逃げ面摩耗とは、食付き逃げ面(食付き部の逃げ面)に生じた逃げ面摩耗(逃げ面に生じた摩耗)のことです。
(※2)
切れ刃とは、刃部の構成要素の一つで、すくい面と逃げ面との交線のことです。
(※3)
図14は、以下です。
図14(マージン・逃げ面摩耗・すくい面摩耗・クレータ摩耗・チッピング)
図14(外周逃げ面摩耗・食付き逃げ面摩耗・コーナ逃げ面摩耗・外周逃げ面摩耗の長さ・外周逃げ面摩耗幅・食付き逃げ面摩耗の長さ・コーナ逃げ面摩耗幅)
(※4)
コーナー逃げ面摩耗とは、外周逃げ面(外周の切れ刃の逃げ面)と食付き逃げ面(食付き部の逃げ面)との稜線(りょう線)に生じた逃げ面摩耗のことです(上の図14参照)。
(※5)
すくい面とは、切れ刃に続く溝面のことです(以下の図4参照)。
図4(すくい面・食付き逃げ面・外周逃げ面・食付き切れ刃・外周切れ刃・ランド・マージン・ヒール・コーナ・溝・溝底の丸み)
(※6)
切削中に刃部(リーマの切削に直接あずかる部分で、切れ刃、すくい面及び逃げ面からなる部分)に生じた漸進的な損失のことです。
[ タップ・ダイス・リーマ > リーマの刃部の損傷,一般 ]