タップ,ダイス,下穴,加工,リーマ,転造,ねじ加工工具の種類など

金属部品などのねじ加工用の工具であり、主に下穴にめねじを形成するおねじ形のネジ加工工具であるタップの、種類（構造、機能、用途、ねじの種類、製造方法、溝の形態などによる分類）タップの要素、タップの角、精度などに関連する用語として、ねじ加工工具用語-第1部：タップ（JIS B 0176-1）において、”c）タップの角”に分類されているねじ加工工具用語（タップ）には、以下の、『レーキ角』、『フック角』、『ヒール角』などの用語が定義されています。

ねじ加工工具用語-第1部：タップ（JIS B 0176-1）
⇒【c）タップの角】

分類： ねじ加工工具用語（タップ） > c）タップの角

番号： 3007

用語： レーキ角

定義：
すくい面（※1）がレーキ（※2）の場合のすくい角（※3）。（346）

レーキ角

量記号（参考）：
γ_r

対応英語（参考）：
rake angle (of straight cutting face)

分類： ねじ加工工具用語（タップ） > c）タップの角

番号： 3008

用語： フック角

定義：
軸直角断面上において切れ刃（※4）を通る中心線とすくい面上の切れ刃とねじの谷底（※5）とを結んだ直線とがなす角（347）、又はその中心線と切れ刃におけるすくい面の接線とがなす角。
備考：
前者をコーダルフック角（chordal hook angle）、後者をタンゼンシャルフック角（tangential hook angle）という。

フック角（コーダルフック角）

フック角（タンゼンシャルフック角）

量記号（参考）：
γ_h

対応英語（参考）：
hook angle,
rake angle of curved cutting face

分類： ねじ加工工具用語（タップ） > c）タップの角

番号： 3009

用語： ヒール角

定義：
軸直角断面上において、ヒール（※6）を通る中心線とヒールを通る溝面の接線とがなす角。

すくい角・ヒール角

量記号（参考）：
γ_b

対応英語（参考）：
heel angle

（※1）
すくい面とは、切削を営む主体となる面のことです。切りくずがこの面を擦過します。

（※2）
レーキとは、すくい面が平面の形状のことをいいます（下図参照）。

レーキ

（※3）
すくい角とは、基準面（Pr）に対するすくい面の傾きを表す角のことです。
レーキ角及びフック角を総称した角になります。

（※4）
切れ刃とは、すくい面が逃げ面につながる部分のことです（下図参照）。

（※5）
谷底とは、ねじ溝の両側のフランク（山の頂と谷底とを連絡する面）を連絡する面のことです。
JIS B 0101（ねじ用語）にも規定があります。
JIS B 0101（ねじ用語）では、一般に用いるネジの”ねじ基本”及び”ねじ部品”（座金・ピン・リベットを含む。）に関する用語及びその定義について規定されています。
詳細はこちらを参照ください。
ネジ規格・用語-ねじの種類,寸法,ボルト,ナット,タップ,インチ,管用,台形ネジ,加工等

（※6）
ヒールとは、逃げ面と溝とのつなぎとなる部分のことです（下図参照）。