山頂摩耗/すくい面摩耗/クレータ摩耗/チッピング
主として金属加工用として一般に用いるタップに関する用語について規定しているネジ加工工具用語(タップ)において、”e)タップの刃部の損傷”に分類されている用語のうち、『山頂摩耗』、『すくい面摩耗』、『クレータ摩耗』、『チッピング』のJIS規格における定義その他について。
金属部品などのねじ加工用の工具であり、主に下穴にめねじを形成するおねじ形のネジ加工工具であるタップの、種類(構造、機能、用途、ねじの種類、製造方法、溝の形態などによる分類)タップの要素、タップの角、精度などに関連する用語として、ねじ加工工具用語-第1部:タップ(JIS B 0176-1)において、”e)タップの刃部の損傷”に分類されているねじ加工工具用語(タップ)には、以下の、『山頂摩耗』、『すくい面摩耗』、『クレータ摩耗』、『チッピング』などの用語が定義されています。
ねじ加工工具用語-第1部:タップ(JIS B 0176-1)
⇒【e)タップの刃部の損傷】
分類: ねじ加工工具用語(タップ) > e)タップの刃部の損傷
番号: 5004
用語: 山頂摩耗
定義:
完全山部(※1)の山の頂(※2)に生じる摩耗(※3)。
山頂摩耗
量記号(参考):
−
対応英語(参考):
crest wear
分類: ねじ加工工具用語(タップ) > e)タップの刃部の損傷
番号: 5005
用語: すくい面摩耗
定義:
すくい面(※4)に生じる摩耗。
すくい面摩耗
量記号(参考):
−
対応英語(参考):
face wear
分類: ねじ加工工具用語(タップ) > e)タップの刃部の損傷
番号: 5006
用語: クレータ摩耗
定義:
すくい面摩耗のうち、くぼみが生じる摩耗。
クレータ摩耗
量記号(参考):
KT
対応英語(参考):
crater
分類: ねじ加工工具用語(タップ) > e)タップの刃部の損傷
番号: 5007
用語: チッピング
定義:
切れ刃(※5)に生じた小さな欠け。
チッピング
量記号(参考):
−
対応英語(参考):
chipping
(※1)
完全山部とは、完全ねじ山部ともいい、完全なねじ山の形をもつ部分のことです(下図参照)。
(※2)
山の頂とは、ねじ山の両側のフランクを連絡する面のことです。
なお、フランクとは、山の頂と谷底とを連絡する面のことです。
軸線を含んだ断面形では、一般に直線になっています。
ねじ用語(JIS B 0101)にも規定があります。詳細はこちらを参照ください。
ネジ規格・用語-ねじの種類,寸法,ボルト,ナット,タップ,インチ,管用,台形ネジ,加工等
(※3)
摩耗とは、刃部(タップの切削に直接あずかる部分)に生じた漸進的な減耗のことです。
(※4)
すくい面とは、切削を営む主体となる面のことです。切りくずがこの面を擦過します。
(※5)
切れ刃とは、すくい面が逃げ面につながる部分のことです(下図参照)。
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